夜灯

壁にもたれて1人深夜を待つ
貴方が隣に居ればと
言葉も何もいらないから ただあの灯りが点ればと、思う

言い訳はもう捨てた
貴方と寄り添って生きていきたい
貴方とふたり ひとつじゃ灯せない。
それでもわたしを落とさぬ為に
息の苦しい夜は できるだけ自分で抜けたいの
貴方は瞳を細める
わたしは貴方に感謝している

隠すもの、暴くもの 取り繕うもの、掻き集めるもの
何もない静かな夜 もう幾度?
ゆっくり、染み出すような吐露
ただ灯りが点る
ねぇ わたしがどれだけ救われているか。

頼るはとても 恐くて
与えるや貰うはとうに疲れた
そこが似るから?それだけじゃない
憶えていてね
理屈じゃないこと、そのひとって云うこと。
愛おしいと、此処にと願うのは
言葉でも優しさでもなく 貴方だから。

誰かとの「この先」を考えるのは苦手
それでももうふたつの灯りはわたしに刻まれ
きっと 生涯忘れない。
願わくばいつまでも明かればいい
橙に小さく、夜に灯る
ふたりは何も与えずに ただこの夜灯に寄り添っている。
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