the knife

あの夜 返事をしなかったのは
どうでも良かったからじゃない

「止められない」ことが怖かったから
「いってしまう」ことが怖かったから

無力感という名の その絶望から 私は逃げた

だから言い訳はしなかった
逃げたことに変わりはないから。
きっとわたしでも 裏切りだと そう思うから。

ごめんね
ほんと今更だけど

それでも、翌朝わたしが思ったのは
「良かった、いってしまってはなかった」って、
それだけだったんだよ
あの夜 わたしは苦しかった
あなたにいなくなってほしくなかった
苦しくて 逃げること選んでしまったけれど
悩んでいた
ずっと話していたの
あなたのことを話していたのよ

今更 伝わると思ってるわけじゃない
でも発して、おきたかった

あなたを大事だと、それは嘘じゃなかったの
それだけ発しておきたかった

目に触れないと、解っていても。
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